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Victor SX-V1-M 開発秘話




SX-V1の、あの独特の音の良さは、エンクロージャーに秘密があります。

caterxrogo





まずは、その音をお楽しみ下さい。



下の動画は YouTube チャンネル audiohonpo2011 様 の動画を埋め込みさせて頂いています。



1990年11月に始まったバブル景気の崩壊は、1993年末には日本の株式価値総額を1988年末株価の59%にまで減少させ ました。人々はさいふのひもをしめ、購入するのは必要な物のみ、VictorがV1を世に送りだした、1994年10月 には、更なる深みへと沈んでゆく日本経済を予感するには、既に十分な情報がとびかっていました。

そんな中、記録的な売り上げを達成した商品、それが、Victor SX-V1-M それはそれは、すごかったも のです。

オーディオ評論家の方々が評して下さったのは、以下のとおりです。

「ただものではない!」  「楽器的スピーカーだ!」  「音に品格がある!」 

「芸術的な音だ!」  「透明感があり静かだ。」 「普通のスピーカーでは再現できない音がでている!」 

「きびしい音も再生している。」 「響きがきれいである。」  「純粋である。」   「音に表情がつく!」




Victor SX-V1-Mの成功により誕生した、Victor のトレードマークを冠した、

            HVM His Master's Voice シリーズは、

                         多くのオーディオファンを魅了したばかりではありません。



販売店の話しによると、見慣れないお客様が、愛おしげに手で触れて、購入していったそうで、こんな現象は、なかったことだと、販売店を驚かせたといいます。
バブル崩壊のまさにそのとき、Victorは、新規顧客の獲得まで成功していたのです。

その後、1994年発売開始のSX-V1も、HVMシリーズも、とある事情により販売終了となりましたが、現在でも、銘器とうたわれ中古市場で高値で取引されています。 また、SX-V1で検索して頂ければ、今でも多くの人に愛され、熱い情熱をもったウォンツが語られているのがお分かりいただけます。

実は、catwerx の代表の家には、V1の初号機のエンクロージャーに、4000円のコンポのコーンを取り付けた 試作機があるのですが、その重低音の自然な響きには驚かされます。これは、エンクロージャーを鳴らして伝 わった重低音が専用スタンドを通して床をゆらす音で、包み込まれるような、鳥肌が立つほど素晴らしい感覚で す。特にボーカルがたまりません。さすがに動画では再生されていませんので、とても残念です。

実は、この製品の開発にcatwerxの代表が深く関わっています。HVMシリーズに使用されている木は、殆どが無 垢の木なのですが、代表が開発した、表層WPCという技術が用いられているのです。

工業的には、木材が自然材料であるが故に生じる様々な特性をかなり、フラットにすることができます。
後に、日本木材学会技術賞を頂いた技術で、無垢の木材の表面だけ、約1mmに、特殊な樹脂を真空加圧注入し、その後、硬化することで、 木材が、湿度によって変形、強度変化、音響的変化、屋外劣化することを緩和できるのですが、 特に、面白いのが、その木材の音響特性の変化です、注入する樹脂の種類や、工程のパラメータを変えると、その音響特性が著しく変化します。

  この技術は木材の音響特性をコントロールすることが可能なのです。

  実は、最初の評価は悲惨なものでした。

  先程の音響評論家の方々から頂いた評価は、2回目のテストのものだったのです。



最初の評価があまりにも悪かったため、代表は、一度目の評価を改善できると推測した方法で、2回目のエンクロージャーをVictor様へ収めたのですが、そのときの評価が、

         「まったく前のものとは別物だ!」     「よくここまでやった!」  

というお言葉を頂いた上で、前述の評価を頂いたわけです。 他にはどこも変えていません。

ただ、エンクロージャーの処理法を変えた事をVictor様にお知らせしていませんでしたので、あまりの評価の変 化に担当の方がみえて、なにかしたのですかと、おしかりを受けたのを代表は鮮明に覚えているそうです。

実は、代表は同行しなかったのですが、Victor様より先に、Kenwood様にも、営業にいったそうですが、そのと き、エンクロージャーなんてなんでもいいんだ、どんな音でも作ってみせるといわれて断られたそうです。

その後、色々ないきさつがあって、Victorは、表層WPCの提供を受けられない、或いは、断ったのですが、木 工のビクターといわれていたビクターとしては、当然後継機を自力で開発したのでしょうが、その後のビクターの行方 はご存知のとおりです。

ゴシップな裏話しは、ここまでとして、SX-V1からV7のオーナーの方に、お願いがございます。ストラディバリ のバイオリンには、表層処理がしてあったのではという話もありますが、オールドヴァイオリン自体に価値があるのも ご存知かと思います。

これは、無垢の木材に、一定の音響を与え続けると、その音の響きが良くなることに所以しています。

殆どの、スピーカーのエンクロージャーが、木材の繊維を接着剤で固めた、木質版でできていますので、あとは劣化し てゆくだけですが、SX-V1は、表面だけ、強靭な樹脂をしみ込ませて固めてありますが、内部は無垢の木材です。

一部のオーナーの方が購入当初鳴らなかった音が、よく鳴るようになったと、書いておられ、「そんなことはないだろ う」と反論されてしまっていましたが、実は、そのとおり、音は良くなってゆきます。

お気に入りの曲を鳴らせば鳴らすほど、その音に、木が染められてゆくのです。

コーンやネットワークは劣化してゆくでしょうが、お気に入りのものに取り替えてでも、ぜひ、使い続けて下さい。

あなただけの銘器に育っていきます。

また、V1の修理に秀でた方もいらっしゃるようですが、その方々の中で、旧塗装を落としすぎている方をみかけまし た。上記の様な特殊な理由で、くれぐれも、浅い磨きでお願い致します。

いつかまた、もっとナチュラルな材料で、V1を超える銘器を作りたいとは思っているのですが、これはたぶんかなわぬ夢でしょう。



何を勝手ないいぐさをと、お叱りを受けることを覚悟の上でのお願いです。どうか、V1をかわいがってやって下さい。



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